金木犀(キンモクセイ)が香るお茶・ドリンクで秋を味わうひとときを♪
暑い夏も終わり、いよいよ秋本番となりました。日本の秋を代表する花と言えば、私は真っ先に思い浮かぶのが金木犀(キンモクセイ)です。可憐なオレンジ色の花びらもさることながら、道を歩いていてどこからともなくふわっと香る甘い香りにうっとりしますよね。今回は、そんな金木犀の香りを自宅でも楽しめる金木犀を使ったお茶やドリンクをご紹介します♪
2019年09月28日更新
記事の目次
[1]中国からやってきた金木犀
今では日本中で楽しめる金木犀(キンモクセイ)ですが、原産は中国です。日本に金木犀が入ってきたのは江戸時代と言われていますから、まだそこまで歴史があるわけではなさそうですね。
日本では、その愛らしい花の姿や香りを街路樹や生垣などで楽しむことがほとんどですが、本場中国では金木犀のことを「桂花(けいか)」「丹花(たんか)」などと呼び、食用花としてさまざまなものに多用されています。
「桂花陳酒(けいかちんしゅ)」という中国酒の名前は、聞いたことがあるかもしれませんね。
同様にお茶と金木犀の花をブレンドしてその香りを移して楽しむお茶は「桂花茶(けいかちゃ)」と呼び親しまれています。
[2]金木犀のお茶を2種類飲み比べてみました!
全国展開しているお茶専門店『LUPICIA(ルピシア)』には、季節限定の金木犀の紅茶と、定番で楽しめる桂花烏龍茶があります。
今回はこの2つを公式オンラインショップで購入して飲み比べてみました。
月に咲く(紅茶)
金木犀って不思議なことに、昼間よりも夜の方が、香りが強く甘く感じますよね。この製品もそんなところからネーミングが来ているのか、なんとも美しい名前のお茶となっています。
「月に咲く」は季節・数量限定のフレーバード紅茶で、例年9~11月頃の販売ですが、今年はすでに完売して販売は終了しています。
製品のラインナップは、以下の3種類があります。
・リーフティー 40g限定デザイン缶入
・リーフティー 50g袋入
・ティーバッグ 10個限定デザインBOX入
私が購入した時(9月半ば)には、既に40g限定デザイン缶は完売になっていました。
『LUPICIA(ルピシア)』の限定缶は年によってラベルデザインが変わるのですが、今年のデザインは確かに素敵なので人気が高かったのかもしれませんね。
デザイン缶入りが品切れだったので、私は気軽に飲めてデザインも楽しめる「ティーバッグ 10個 限定デザインBOX入」を購入しました。
BOXの中にはティーバッグ10個が入った大袋がありました(個包装はされていません)。袋止めシールがついているので、湿気や香り移りも避けられて便利です。
ティーバッグなので茶葉の様子がはっきり見えませんが、それでも金木犀の花がたくさん茶葉にブレンドされているのがわかります。
封を開けた瞬間、ふわっと甘い、馴染みのある金木犀の香りがして気分がほっこりします。原材料は、紅茶(ベトナム、インド産)と金木犀花のみとのこと。
早速お茶を淹れてみました!できれば紅茶を飲む時は、カップにお湯を注いだ後も蓋をして数分蒸らすといいですよ。
まずはストレートで飲んでみます。口に含むと同時にほのかに金木犀の香りが感じられて、また茶葉もすっきりとした後味で渋みがなくて飲みやすく感じました。
その後、今度はお砂糖を入れて飲んでみました。金木犀の甘い花の香りは、お砂糖を入れて飲んだ方がかえって引き立つように感じました。
また、少し時間が経ってお茶の温度が下がった頃に飲んだ方が、淹れたての熱湯の状態の時よりも金木犀の香りがよりくっきりと際立った気がしました。
私はコーヒーが飲めない代わりにお茶が大好きで、個人のブログでもよくお茶の記事を書いているのですが、紅茶ベースの金木犀のお茶はおそらく初めて飲んだと思います。
しっとりとした優しい甘さと風味ですが、見た目は華やかで、少し優雅な気分になれるお茶でした。
台湾桂花烏龍(烏龍茶)
金木犀の香るお茶といえば、やはり元となる中国茶ベースの桂花茶もはずせません。
『LUPICIA(ルピシア)』では、台湾の名間郷で採れた桂花を、同じく名間郷産の烏龍茶にブレンドした「台湾桂花烏龍(タイワン グイファーウーロン)」が定番品として販売されています。
製品ラインナップは、50g袋入と50g缶入(いずれもリーフティー)の2種類です。
実は昔、工夫茶芸(中国茶の伝統的なお茶のスタイル)にハマっていて、中国茶器をフルセットで持っていました。
お茶がきっかけで台湾の魅力に取りつかれ、以来10回近く台湾旅もリピート中です。
今は手放してしまった茶道具もありますが、せっかくなので今回、久しぶりに手持ちの茶器を取り出して、茶芸を簡単に楽しむことにしました♪
茶葉は袋入りのものを購入しました。
『LUPICIA(ルピシア)』では「茶パッチ」というオリジナルの密閉性クリップも販売されていて、これを使えば袋のまま長期保存がきくので便利です。
中国茶にはタイプが色々ありますが、「台湾桂花烏龍」は青茶に属する半発酵のお茶で、烏龍茶もここに属します。丸まった形の茶葉が特徴的ですね。
袋ごと香りを嗅ぐと、青くフレッシュな烏龍茶の香りの中に、うっとりするようなふくよかな金木犀の香りがひそかにして、深呼吸したくなるような清らかさでした。
烏龍茶では、お湯は熱湯を使います。茶葉は、お湯を入れると葉が開いて大きくなるので、たくさん入れすぎない方が良いです。
私は工夫茶芸の手法で淹れるのが久しぶりだったせいか感覚が鈍っていて、茶葉を多めに入れてしまい、最後は“ふえるわかめ”みたいにお湯の入るスペースがないほど茶葉がふくらんでビックリしました(笑)。
工夫茶芸では、事前に茶壷(急須)や茶海(ピッチャー)、茶杯(湯のみ茶碗)などを熱湯で温めます。
茶海はなくても飲めますが、茶壷に入れたお茶を茶海に移してから湯のみ茶器に注ぐことで、味や色が均一になった状態でお茶が楽しめます。
お茶を飲むための湯のみは、「聞香杯(もんこうはい)」という香りを楽しむだけの器と、「茶杯」という実際にお茶を入れて飲むための器とがあります。
お茶が出たらまず聞香杯に入れてすぐ茶杯に移し、空になった聞香杯に鼻を近づけてお茶の残り香を楽しんだ後に茶杯でお茶を飲む、という流れが工夫茶の基本です。
聞香杯で香ったところ、この烏龍茶はすがすがしくフレッシュな青さがあって、その中に力強さもありながら、徐々にミルキーな甘さに変化していくのが印象的でした。
茶杯で実際に飲んでみると、正直そこまで金木犀の香りが強く感じられるわけではありません。しかしストレートの烏龍茶に比べるとまろやかな甘さが出ているように感じました。
中国茶用の湯のみとして、蓋碗(がいわん)という茶器もあります。
これは茶杯より大きくて蓋がついていて、急須代わりに直接ここに茶葉を入れ、蓋を少しずらしてお茶を飲むこともできます。もちろん普通の湯飲みのようにも使えて便利ですよ。
中国茶のお茶請けとしては、ドライフルーツやナッツなどが一般的です。
そして中国茶(特に青茶)は、熱湯を足せば5~6煎は楽しめますので、1回で茶葉を捨てずに香りや味の変化をしばしゆっくり楽しみましょう。
[3]バタフライピーと金木犀を使った色を楽しむドリンクも
出典 onlineshop.treeoflife.co.jp/ec/pro/disp/1/020451460?sFlg=2
アロマテラピー専門店『生活の木』では、金木犀の花をリンゴ酢に漬け込んだ「ハーブ蜜酢」というものも販売しています。
このハーブ蜜酢と深い青色が特徴のハーブ「バタフライピー」を使って、今話題の色鮮やかなドリンクが作れるセットもあります。
バタフライピー&キンモクセイでカラー変化を楽しむドリンクセット
出典 onlineshop.treeoflife.co.jp/ec/proSet/1/SET020030
ホームパーティーなどでこのドリンクを提供できたら、きっと参加者もビックリすること間違いなしですね!
秋を代表する金木犀の香りからは想像もつかないようなブルーの色合いが、華やかでパーティーの主役にもなりそうです。
[4]自分で金木犀のお茶を作ってみよう♪
紅茶専門店『TEAPOND(ティーポンド)』には、自分で作る金木犀茶の作り方が紹介されていました。
【作り方】
1.金木犀の花を集める。2.花を水でさっと洗う(汚れが気になる場合のみ)。
3.茶葉2:金木犀の花1の比率を目安にブレンドする。
4.ティーポットで通常のお茶と同じように淹れる。
レシピ情報元:紅茶専門店 TEAPOND
ブレンドベースの茶葉は、ダージリンやネパールの春摘み茶、台湾の凍頂(とうちょう)烏龍茶や阿里山(ありさん)烏龍茶、セイロンヌワラエリアなど、発酵度の浅いものがおすすめだそうです。
金木犀の花が自宅などで手に入る方は、ぜひオリジナルブレンドの金木犀茶も楽しんでみてはいかがでしょうか?
[5]金木犀の甘い香りと風味で、ほっとリラックスティータイムを
金木犀は、公園や街路樹など外に出ないと香りや花を楽しめないかもしれませんが、お茶として取り入れることで、自宅でも気軽にあのふくよかな甘い懐かしい香りを満喫することができます。
金木犀が咲くのを待ちつつお茶を楽しむもよし、散った後に名残を惜しんで楽しむもよし。
あなたなりの金木犀茶の楽しみ方を見つけて、この秋はいい香りでほっこりティータイムを満喫してはいかがでしょうか♪